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02日 3月 2016

春風萬里荘の昆虫自在置物 Articulated metal insects by Takase Kozan from the collection of Kasama Nichido Museum

 最近、笠間日動美術館分館の春風萬里荘に昆虫の自在置物が数点あるという話を耳にしました。そこで館に問い合わせてみたところ、作者不詳の10点(クワガタ、カマキリ、ハチ、チョウ、カミキリムシ、セミ、トンボ、バッタ3種)が存在するとのことでした。

 ということで早速実物を見に行ってきました。

 

 

 

 春風萬里荘は北鎌倉で北大路魯山人が住居としていた民家を昭和40年に移築したもの。風呂場には魯山人の手による織部陶板が使用されています。馬屋を改装した洋間があり朝倉文夫の猫なども展示されていました。

 昆虫自在置物はその洋間に置かれたキャビネットに作品解説などもなく展示されていましたが、実物を目にして高瀬好山の昆虫に間違いないと確信しました。銀製のものなどはだいぶくすんではいましたが、各種色金を用いた作品でした。

 一昨年クリスティーズに高瀬好山の昆虫十種セットが出品されましたが、春風萬里荘のものはカブトムシの代わりにセミが入っているという構成です。

 

 作者不詳とのことでしたが、好山の昆虫は翅の裏に銘があることが多く見過ごされている可能性もあるのではないかと考えました。三井記念美術館蔵の高瀬好山の十二種昆虫は銘があるのは蝶だけということもあり、この昆虫もどれか一つには銘が入っているのではないかと思い帰宅後に再度問い合わせてみたところ、翅がうまく開かなかったクワガタ以外は翅の裏に好山の銘を確認できたとの連絡をいただきました。

 

 この春風萬里荘の昆虫自在置物は昭和40年の移築当時より創設者が自身のコレクションを展示したものとみられるそうです。自在置物が一般に知られるようになったのはごく最近ではありますが、そうだとすれば数十年詳細が知られないまま展示されていたことになります。高瀬好山の作品をまとまった数所蔵している美術館は前述の三井記念美術館と清水三年坂美術館しか知られておらず、このコレクションは貴重なものと言えるでしょう。来館者のための作品解説もつけるとのお話でしたので、これから多くの人に知られるようになればと思います。

 

追記:

2016年3月12日現在、笠間日動美術館 長谷川仁・林子記念室でこの高瀬好山の昆虫10種が特別公開されているとのことです。

http://www.nichido-museum.or.jp/curator/2016/03/post_396.html#more

tagPlaceholderカテゴリ: 自在置物, 高瀬好山, takase kozan

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