1915年にロンドンで開催された「Loan Exhibition of Japanese Art and Handicraft」展には自在置物も何点か出ており、以前ブログに書いたことがありました。
https://www.kotobuki-do.com/2021/06/12/iron-quail-by-takaishi-shigeyoshi/
『東洋の至宝を世界に売った美術商―ハウス・オブ・ヤマナカ―』の著者、朽木ゆり子氏がこの展覧会について昨年記事を書いていました。知らなかったのですが、この展覧会は写真入りの豪華版カタログも制作されていたとのこと。
https://gakugei.shueisha.co.jp/mori/serial/yamanaka/002.html
この記事では、この豪華版カタログは1976年にチャールズ・タトル社より1巻本として復刻されたとありますが、同年にSawers-Valansot からも復刻版が出ていたようです。
その Sawers-Valansot 刊のカタログを入手しました。残念ながら自在置物の写真は掲載されていなかったのですが、ボストン美術館所蔵の2メートルを超える大きさの龍の自在置物で知られる、高石重義の鶉の香炉の写真が載っていました。高石重義はボストン美術館の龍以外の作品は知られていないので、貴重な作例の写真ではないかと思います。
カラー図版も八枚あり。並河靖之、濤川惣助の作品も出版物でカラーで紹介されたのは、もしかしたらこれが初めてだったのかもしれません。
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