壽堂
  • Home
  • Profile
  • jizai okimono
  • Works
  • Inquiry
  • Blog
自在置物  ·  19日 12月 2024

高瀬好山「竜拵」 Short sword with Takase Kozan's fittings

 東京富士美術館で開催中の「サムライ・アート展 ─刀剣、印籠、武具甲冑、武者絵、合戦絵─」に高瀬好山による拵の短刀が出品されています。

 展示解説にによれば、この短刀「竜拵(号笛吹竜)」は全長46.0cm、短刀は刃長24.6cmmで備州長船清光の作とのこと。龍笛を象った銅と赤銅を用いた拵に、自在置物と同様の技法で製作された銀製の龍が巻き付いています。

 

 展覧会図録にも掲載されています。

 

 以前にもよく似た作りの短刀拵が紹介されているのを見たことがありましたが、そちらは鉄製で銘は「宗信」となっています。おそらく高瀬好山工房の工人で、宗信を名乗った冨木次三郎ではないかと思われます。

https://kako.nipponto.co.jp/swords3/KT324760.htm

 

 清水三年坂美術館の所蔵する《龍笛矢立》は短刀拵ではないものの、東京富士美術館の「竜拵」と印象が非常に似ています。銀製の龍は龍笛の中に入り込んだ格好になっており、飛び出ている部分が可動になっています。無銘とのことですが、高瀬好山の工房の製作である可能性が高そうです。

 

Facebook

 

Instagram

 

ミュージアム干支コレクションアワード2024

この投稿をInstagramで見る

清水三年坂美術館/Damascene-布目象嵌の東西 2024.12.11〜2025.3.2(@kiyomizusannenzakamuseum)がシェアした投稿

 クリスティーズのカタログ The Hartman Collection of Japanese Metalwork に掲載されている「竜飾り笛形合口拵」は自在置物の技法を用いないオーソドックスな金工によるものですが、龍が龍笛に巻き付き、上半身はその中に入り込んで首を出している、という意匠になっています(なお、同カタログには珍しい蛙や鶉の自在置物も掲載)。

 東京富士美術館の「竜拵」や清水三年坂美術館の《龍笛矢立》は、実用性を度外視しても龍の部分に自在置物の技法を用いることによって、さらなる面白さを追求したのかもしれません。

 

 龍の自在置物を器物の装飾として使用した例は、2016年の東京藝術大学大学美術館「驚きの明治工藝」展に出品された「自在龍釣舟花生」がありました。こちらは高瀬好山工房の工人「宗義」作。

 

 スミソニアン国立アジア美術館には明珍作とみられる鉄製の鉢がありますが、こちらも自在置物と同様の製作法と思われる鯉で装飾されています。

画像はスミソニアン国立アジア美術館ウェブサイトより。

https://asia.si.edu/explore-art-culture/collections/search/edanmdm:fsg_F1907.35/

 

 作例は多くないですが、装飾として用いられた自在置物に注目してみるのも面白いかもしれません。

 

tagPlaceholderカテゴリ: 自在置物, 高瀬好山

コメントをお書きください

コメント: 0

藤田美術館の孔雀の自在置物 Articulated peacock from the Fujita Museum

2025年 5月 10日 土
続きを読む 0 コメント

正阿弥勝義の蟷螂の自在置物 Articulated Mantis by Shoami Katsuyoshi

2025年 4月 04日 金
続きを読む 0 コメント

ジョサイア・コンドル「雨中鷺」 Josiah Conder: Heron in the Rain

2025年 2月 11日 火
続きを読む 0 コメント

自在置物の作者別ブログ記事

  • 高瀬好山
  • 明珍吉久
  • 明珍宗察
  • 板尾新次郎
  • 高石重義
  • 鈴木長吉
Tweets by sushifactory
瓢箪自在龍
RMOV1111
松岡映丘先生・小林鎌太郎氏 両家遺愛品入札
松岡映丘先生・小林鎌太郎氏 両家遺愛品入札
象牙海老置物
自在伊勢海老 Articulated Lobster
RIMG2160
RIMG2159
RIMG2158
RIMG2157
概要 | プライバシーポリシー | サイトマップ
ログイン ログアウト | 編集
  • Home
  • Profile
  • jizai okimono
    • 自在置物
  • Works
  • Inquiry
  • Blog
    • 自在置物
      • 高瀬好山
      • 板尾新次郎
      • 高石重義
      • 明珍吉久
      • 明珍宗察
      • 鈴木長吉
    • 根付
    • 清水三年坂美術館
    • 作品
  • トップへ戻る
閉じる